Basic K’ichee’ Grammar

昨年発売されてから少しずつ読んでいたMondlochの本。

想像していたよりしっかりしていて、かなりの部分の文法をカバーしている。これまで購入したものも含めると一定水準以上のキチェ語関連の文法本、辞書は大体買い揃えたと筈なので、コースで指定されない限りこれ以上の本を買うのは控えようと思っている。

後は現場で学びたいということもあるけれど、これ以上本を買うこと自体が学習の妨げになる気もしているから。院生時代は想像もしなかったことだけれど、知識の詰め込みすぎが逆効果となり得ることを如実に実感している今日この頃。

Ferretería

全国に支店があるチェーン・ストアのシェラ店にて。

Ferreteríaの下にある表記はキチェ語。Ferreteríaは広義にはDIYショップという意味なのでキチェ語にある鉄関連製品販売所とは少し異なるけど、まぁ意味は通じる。

シェラはキチェ語圏なのでこういう表記は悪くない試みだとは思う。けれど、悲しいことにこの表記は殆ど意味がない。というのもキチェ語を喋れる人々の中で、アルファベットを用いたキチェ語の読み書きが出来る人は多く見積もっても半数、もしかしたら25%を下回るかもしれない。殆どの人はキチェ語や他のマヤ諸語の表記方法を学ぶ機会が無いから。

これがグアテマラにおける先住民言語の現状。人々の関心も著しく低いという残念な現実。

インターネット

以前インターネットをキチェ語で何と言うか紹介した。

インターネットを本格的に使い始めて今年で20年、院生の頃は便利な時代になったなぁと特に実感した。JSTORとかが発達していない時代を考えるとゾッとする。

ただ、便利さの反面弊害もある。キチェ語を含む先住民言語の学習においてもそうだ。キチェ語はまだ話者数が多いのでマシな方だけどそれでもネット上にある情報は限られていて、また、不正確なものも多い。

それから検索、調べるという行為をネット上のみで行う人が多い中、ネットで情報が見当たらなければ、この世に存在しないと思われてしまう危険性もある。キチェ語に限らずどんな言語もそうだけれど、ネットに無い情報や文章では表すことの難しい感性、感覚といったものが非常に重要だ。ただ、ネットがそういったものに辿り着く第一段階となっている現在、マイナーな先住民言語の学習は以前と比べて更に難しくなっているのかもしれない。