先住民の家族の場合、恋人同士が会う時は男性が女性の家の前に来て話すというのが慣習が続いている。男性は決して女性の家に入ることは出来ない。その許可を得るためには男性がその家族と共に女性の家族を訪問し、結婚の許可と式の日時を決める必要がある。
手順としてはカップルが結婚したいという意見に達した際に女性の両親を呼び何時々に訪問したいと伝えて了承を得る。その後、その日の午後大体2時から3時頃に家族を連れて恋人の家を訪問、そこで結婚を含めた今後の方向性が話し合われる。
各家族は代表(スペイン語でtortulero、キチェ語でkamalb’e)を指名する。この代表は各々の両親ではなく親族(大抵叔父)。その他細かな決まりがあり、例えばパンやチョコレート(飲む方)やローストチキンが入った大きなカゴ(chakach)は女性が、飲み物(炭酸飲料)のボトルは男性が運ぶことになっている。カゴについては女性は頭部を使って運ぶことが出来、また、サイズが大きいので抱えて運ぶことが出来ないのがその要因かなと思う。ここでは最近の行き過ぎた感もいささかあるジェンダー・フリー(gender neutral)という概念は無い。
今回長年付き合いのある家族の娘さんの家でこの儀式、pedida de la manoが行われることとなったのでカメラを入れた。勿論、双方の了承を得た上で。合計11本。最初の二本が現時点でYouTubeで公開されている。
一本目の動画で握手しているのがkamalb’e。二本目の動画では「シェクイーフ」という言葉が頻繁に聞こえるけどこれはキチェ語でこんにちは「buenas tardes」の意味。